中学受験において、国語は算数に次いで重要な科目です。だからこそ一生懸命取り組むものの、なかなか結果につながらず悩むことも多いですよね。
出題範囲はあってないようなもの。特に国語が苦手な子供にとっては、あまり多く時間もかけられません。いったいどう勉強すれば良いのでしょうか。
答えはシンプルです。6年生の夏までは、知識は毎日コツコツと、読解はじっくり取り組みましょう。
具体的な勉強法とオススメの参考書をご紹介します。国語に自信をつけ、4科目の底上げにつなげましょう。
語彙は漢字とセットで勉強
語彙は多いに越したことはありません。だからこそ一つでも多く詰め込みたいところですが、言葉の意味だけを覚えていこうとしても、なかなか頭に入りません。
語彙の勉強は漢字や読解とセットで行うのが基本です。分からない言葉を見つけたらまずは前後の文から推測し、確認のため辞書で調べる。この繰り返しで語彙力がつきます。
語彙を単独で勉強する時間がなくなれば、時間を効率的に使うこともできます。勉強することはたくさんありますから、時間はうまく使いましょう。
語彙の勉強法
中学受験に向けた漢字の参考書を使い、漢字と語彙をセットで覚えます。漢字の練習をしつつ、例文や問題文に出てきた分からない言葉を調べて覚えます。
長くても30分程度でOK。少ない時間でも構わないので、毎日続けることが重要です。
書き込み式の問題でも、必ずノートに写して解きましょう。受験勉強では何冊もの参考書や問題集を使うより、数を絞って何度も繰り返す方が効果的です。
語彙のおすすめ問題集『サピ漢』
大手進学塾のSAPIXが出版した『SAPIXの漢字学習字典 SAPI×漢』は、中学受験に必須の漢字がまとめられています。
書き順や意味だけでなく、小学生が間違えやすいポイントも書かれているため、正確な漢字が学べます。苦手な子も多い同訓異字などもまとめられています。
普段は赤シートで隠してノートに練習でき、テスト直前には最終チェック用にも使えるため便利です。
文法は敬語と品詞が重要
文法が設問として出される学校は多くありません。まとまって何問か出題される学校も限られています。
とはいえ文法が分からないと読解にも支障をきたしてしまうため、やはりしっかりと押さえておきたい単元です。
文法の中で大事なのは、敬語と品詞です。どちらも小学生には概念が難しく、なかなか頭に入ってこないようです。
文法の勉強法
敬語はまず、基本を押さえます。謙譲語と尊敬語の違いや基本パターンを確認したら、あとは『申す』『いらっしゃる』といった特別な形の敬語を覚えます。
品詞は深みにはまらない程度にさらっと覚え、あとは基本問題を繰り返すのがオススメです。完璧にする必要はありません。8割方分かるようになればOKです。
効率的な勉強テクニック
6年生であれば志望校の過去問を数年分見て、文法設問の有無を確認しましょう。学校によってはほとんど出題されませんので、出題されていない場合にはそこにはあまり時間をかけず、漢字や語彙、読解に時間を割いたほうが効率的です。
文法のおすすめ問題集
文法だけ深く書いてある参考書は、中学受験には不要です。基本が分かれば十分です。
その点からオススメなのは、こちらも大手進学塾が出している『中学受験用 完成語句文法』です。タイトルからも分かるように、文法に加えて語句、つまり言葉の知識も詰まっています。
問題数が多いので、時間をかけてコツコツ進めると良いでしょう。
長文読解は解説も読み込んで
読解で重要なのは、話の流れが分かり正解が導き出せること。語彙力、背景知識、一般常識、選択肢のテクニック、記述力、速読……たくさんのスキルが必要なため、得点につながる勉強がしづらいのが特徴です。
語彙力や背景知識、一般常識は普段の生活で養いたいところ。新聞や読書はもちろん、テレビや親との会話も勉強になります。ドキュメンタリーやニュースを興味を一緒に見て、話す時間がとれると多くの知識が身に着きます。
机に向っての勉強で身につけたいのは、選択肢のテクニック(選び方など)と記述力です。
長文読解の勉強法
選択肢の選び方や抜き出し問題の対処などは問題集を繰り返して身に着けます。解いて丸つけするだけでなく、解答解説をしっかり読み込んで、解き方を頭に入れましょう。ある程度パターンがあるものなので、多くの問題に接するのも重要です。
記述は親の出番です。子供だけではどうしてもうまく採点できず、合っているかどうかすらわからないこともあります。細かい点数は気にせず、文の意味が伝わるか、足りない要素はないかなどを見てあげてください。
効率的な勉強テクニック
読解は1日に1つを限度としましょう。国語嫌いにさせないため、無理は禁物です。
集中力を付けるためにも制限時間をつけて解かせます。終わらなかった分も時間外として解かせますが、できるだけ時間内に一通り解いて点数をつけるようにすると、スピードアップにもつながります。
国語が苦手な子はまず漢字と知識を身につけよう
国語が苦手な子は、基本知識が足りていないことが多いです。確実に取るべき漢字の点数が取れなかったり、得点語彙力がないため文章が読めなかったりと、少し勉強するだけで点数が上がる可能性を秘めています。
長い文章を延々と読ませて解かせるよりも、まずは漢字や語彙、文法の勉強を毎日続けてみましょう。そのうえで、読解問題を解いた後の時間をじっくり取ってあげてください。
コツコツ勉強とじっくり勉強を併用し、得点アップにつなげてくださいね。