中学受験

公立中高一貫校まるわかり 私立とこんなに違うの?

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公立中高一貫校のイメージ

中学受験は『私立中高一貫校』。当然ながらそのようなイメージをお持ちのご家庭は多いことと思います。

しかし、近年ではその常識を覆しかねない公立校の台頭がありました。

『公立中高一貫校』です。

今回は、大学合格実績でも驚くべき結果を残したことで話題に上がることが多くなった、公立中高一貫校の知識をすべて、読者の方にインプットいたします。

公立中高一貫校とは?

通常の公立中学校とは一線を画し、リーダーを育成することを目的とした学校。文部科学省など国も一体となって設立された中高一貫型の『エリート公立校』、それが公立中高一貫校です。

例えば東京都では2005年にはじめて誕生しましたが、現在(区立一貫も含めると)11校あり、さらには神奈川、千葉と他県にも広がりをみせています。

 

授業料無料の私立のようなもの

公立中高一貫校の特徴を聞かれた時、私はこう答えています。

「授業料無料の私立のようなものです」と。

こう言うと多分、公立と私立の両方から怒られますが、この表現が一番わかりやすいと思います。

私立中高一貫校は首都圏で300校を超えるほど増え、高い指導力と教育の一貫性(高校受験をしなくて済む)から、非常に豊かな教育が行われてきました。
大学合格実績を見ても私立一貫校が圧倒的に有利で、「公立ではトップを目指せない」と言われる時代が続きました

そこで公立でもこの効果の高い「一貫した中等教育課程」を取り入れよう、さらには、もっと進学指導を行っていこう!など自由度を増した公立中高一貫校が誕生しました。

そして、その結果として、設立から数えて6年後の卒業時には狙い通り、私立中堅・難関校と比較しても遜色ない成果を出したのです。

そう言う意味では、これまでの私立に近い一貫教育を行う公立校ということになります。

そして、公立のため授業料は無料。

高額な私立の授業料を負担せずに、質の良い教育が受けられるという、いいとこ取りのような位置付けで人気が急騰しました。
 

東京では都立復権の前兆が

ここ数十年のパワーバランスは「私立>都立」で、東京大学はじめ難易度が最高レベルの国公立医学部などへの合格実績で都立は私立に対して遅れをとってきましたが、東京都は2005年を皮切りに現在にいたるまで(区立含む)11校の都立中高一貫校を立ち上げてきました。

そして近年ではこれらの学校が、大きな話題を生んだのです。
 

2011年『白鷗ショック』

東京都立白鴎高等学校
2005年に中高一貫校となった都立白鷗高校附属中学校。そこで入学した生徒が卒業する2011年、なんと東大合格者を5名も出したのです。

これまで単独高校としての白鷗からはあまり東大合格者は輩出してきませんでしたので、このニュースは教育業界を大いに驚かせました。

しかも「設立初年度の卒業生」で東大合格者5名は国内学校運営の歴史からみても異例中の異例。

公立中高一貫校の指導力の高さを世に知らしめる出来事となったのです。

 

2017年 小石川から14名の東大合格

東京都立小石川中等教育学校
それからというもの、都立中の伸長は止まりません。

2017年度入試では、小石川中等教育学校から14名もの東大合格者を出しました。

これは、私立女子御三家と呼ばれて長い雙葉中学校・高等学校の合格数とならぶほど。都内の学校の東大合格者数を見ると上位20位に問題なく入ってくるレベルなのです。
 

公立中高一貫校一覧

さて、みなさんのお住まいから近くに、この公立中高一貫校はあるでしょうか。首都圏を中心に一覧を紹介しますので探してみましょう。

都県 市区郡 学校名
東京都 千代田区 区立九段中等教育学校
目黒区 都立桜修館中等教育学校
三鷹市 都立三鷹中等教育学校
文京区 都立小石川中等教育学校
練馬区 都立大泉高等学校附属中学校
八王子市 都立南多摩中等教育学校
台東区 都立白鷗高等学校附属中学校
中野区 都立富士高等学校附属中学校
武蔵野市 都立武蔵高等学校附属中学校
立川市 都立立川国際中等教育学校
墨田区 都立両国高等学校附属中学校
千葉県 千葉市 県立千葉中学校・高等学校
柏市 県立東葛飾中学校・高等学校
千葉市 市立稲毛高等学校附属中学校
神奈川県 相模原市 県立相模原中等教育学校
平塚市 県立平塚中等教育学校
川崎市 市立川崎高等学校附属中学校
横浜市 市立南高等学校附属中学校
横浜市 市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校
埼玉県 北足立郡 県立伊奈学園中学校・高等学校
さいたま市 市立浦和中学校・高等学校
その他 - wikipediaの一覧ページへ

どうでしょうか。ここに見当たらなかった方もがっかりしないでください。実際には年々、学校数が増えているので、近い将来、地元の公立高校に付属中学ができるなんてことも珍しくないはずです。

 

「適性検査」を知る

公立中高一貫校を知る上で欠かせないのが入学試験のシステムです。

私立校の場合は「中学入学試験」と呼ぶところ、公立中高一貫校ではこれを「適性検査(てきせいけんさ)」と呼び、「受験する」ではなく「受検する」という風に、違う漢字を書きます。

これは公立でありながら小学生を試す(試験)という表現がふさわしくないということで命名され、、あくまでも検査するというニュアンスを持たせるための呼称です。念のため覚えておきましょう。

名前も去ることながら、私立とくらべ異なっているのが適性検査のその出題内容です。

  

適性検査問題例と対策

適性検査には、1、2、3と種類があります。

適性検査の出題形式

適性検査1、2は共通作成問題となり、例えば都立では全校同じ問題が出題されます。また実施するのは学校側任意となりますが、適性検査3は自校作成問題といい実施する学校が独自に問題を作成します。

それぞれに実際の問題をみてみましょう。

適性検査1(立川国際HP)問題PDFへのリンク

適性検査2(立川国際HP)問題PDFへのリンク

適性検査3(小石川HP)問題PDFへのリンク

算数・国語・理科・社会のように旧来の教科分けではなく、いわば「教科横断的」にそれらで得た知識をもとに思考し表現をする総合力が問われる問題なのです。

通常の入試とくらべ、対策をして鍛えなければならない力としては、基礎としての

  • 知識
  • 読解力
  • 記述力

に加えての『思考力』がとても重要になります。

中学受験に必要な基礎を蓄えたうえで、それをどう組み合わせてどう表現するのかを論理的思考力が求められるわけです。

そして、その最たるものが、適性検査1で出題される『作文』です。

問題をご覧いただければお分かりになると思います。国語の記述力の範疇で対応できるレベルではありませんね。

それほど、付け焼き刃ではない、特別な対策が必要になるということを覚えておきましょう。

  

公立中高一貫校の入試日は?

都県 入試日
東京都 2月3日
千葉県 12月9日
神奈川県 2月3日
埼玉県 1月13日

東京都を例とすると、

  • 私立入試解禁日:2月1日
  • 都立中入試日:2月3日

となり、基本的には併願する私立校のほうが先にきて、そのあと本番といった流れになります。

公立中高一貫校のメリット、私立との違い

公立中高一貫校に人気が集まり高倍率となるのには理由があります。ここではそのメリットを私立との比較においてみていきましょう。

以下は私立中高一貫校と公立中高一貫校のメリット・デメリットをそれぞれあげたものです。

メリット デメリット
私立 ・校舎や図書館や実験室などの設備がきれいで充実している
・教師の転勤がなく指導に一貫性がある
・学費が高い
公立一貫 ・学費が安い(授業料無料)

・教師の転勤があり得る
・おしなべて入試が高倍率のため不合格リスクが高い

こう見てみると、私立に通うわせた方がいいのではないかという結論になりそうですが、やはりネックになるのは、私立の高額な学費です。

逆に、公立一貫校の最大のメリットは「費用の安さ」です。
 

一般公立と同じ「授業料無料で通える」

進路指導や受験指導の活発さ、またカリキュラムなどは私立並みの柔軟性をもつ公立中高一貫校ですが、そこは公立。

授業は一般公立校と同じ「無料」で受けることができます。

私立並みの指導を公立のように安く受けられる、つまり今の中学教育において非常にコストパフォーマンスが良い学校になっているんです。

 

私立との学費比較

簡単に私立に通う場合との費用比較をしてみましょう。

公立中高一貫校 私立中高一貫校
6年間授業料 0円 193万円
6年合計費用 255万円 660万円

授業料でいえば、私立中高一貫校に通うと概算193万円なのに対して、公立はこれがかかりません。まずここが大きく差が開いています。

また合計費用(学内・学外費用をふくむ)でみたときにはよりその差が広がり、400万円近くに。

もちろん、私立は施設がきれいであったり、立地が良かったりある種の企業努力によって学校経営されていますので、利点はたくさんありますが、それにしてもこの差は家庭にとっては大きな違いですよね。

 

人気による異常なほどの高倍率

デメリットのひとつにあがっていた公立中高一貫校の「高倍率」。

私立並みの指導を高額な学費を支払うことなく受けられるとあれば、それは人気が高まって当然です。直近では少し落ち着いてきてはいますが、おしなべて6〜7倍の倍率となっています。

つまりは7人に1人しか受からない、6人は不合格となるということ。

コスパが良いから公立中高一貫校に決めようと受検を志すのは良いですが、失敗したときのリカバリー案を明確に用意しておかないと厳しいでしょう。

  

志望するならリスク回避を考えておこう

このリスク回避として、最近スタンダードになってきているのが「適性検査型入試」を実施している私立校との併願です。

適性検査型入試とは、その名の通り公立中高一貫校がおこなう適性検査ライクな教科横断的な試験のこと。私立でも今後グローバルに戦える人材を育成することを目的として、応用力や柔軟性をもった生徒を入学させたがっています。

ゆえに知識だけを問うのではなく、その活用力を測るような試験にシフトしてきているのです。
なんと適性検査型入試の実施私立校は100校を超えていて、いまや私立受験の副次的なスタンダードになるのではないかと言われているほど。

もし公立中高一貫校に敗れても、私立の適性検査型入試で併願しておくことによって、受験勉強が無駄にせず、結果私立に進もうといった家庭も増えているのです。

「それでは、結局高額な学費を支払わなければいけない・・我が家にはそんな余裕は・・」

とお考えの方もいらっしゃると思います。

ところが実際、この適性検査型入試を通じて私立に入学する子の中には、特待生扱いで入学する子が非常に多く、私立に通いながらも授業料免除や入学金免除など、さまざまな費用負担軽減を受けて通うこともできることを覚えておきたいですね

おわりに

中学受験するかしないか、私立か公立一貫校か、ご家庭においてはさまざまな判断が必要です。

一生を左右する判断だからこそ、我が子にどう育って欲しいかを第一に考えながらも、情報収集は正確におこなっていきたいですね。

判断をした際には、デメリットやリスクを最小限にするような回避策をたててあげるのも親の務めでしょう。

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