優れた教材でFC展開。多様なレベルの生徒に対応
老舗の中学受験塾、四谷大塚。
最も名が通っている中学受験模試「全国統一小学校生テスト」を実施している塾です。
半フランチャイズ展開を行う経営で、四谷大塚準拠塾として多数の小規模塾が傘下に入っているのも特徴。
もっとも「指導力の統一化や平準化」がブランドにとって非常に大切な受験塾業界において、一見危険なフランチャイズを成功させているのは、そのテキスト教材の群を抜いた精度です。
準拠塾もふくめると、最難関トップ校への実績も十分、それから上位、中堅、中堅、下位の学校に合格をさせており、幅広い層に向けて指導を行っているオールマイティな印象です。
校舎数 | カバーエリア |
---|---|
約30校(直営) | 首都圏で展開。東京14、神奈川9、千葉3、埼玉3の校舎を運営している。ただし準拠塾と言われる提携塾はその何倍にも膨らむ。 |
小規模の四谷準拠塾が多い
ここで注意をしなければならないのが、四谷大塚直営の校舎と準拠塾(加盟塾)との違いです。
直営校舎は説明の必要がないと思いますが、この準拠塾はYTnetというシステムを導入し、また予習シリーズというテキスト教材を使用して指導をしています。
一般的には、直営校舎はレベルが高く、最難関トップに大勢合格しているのも直営校舎に通う子供たちです。一昔前までは直営の教室へは入塾テストの結果3人に1人しか入れないという時代もあったほど、ほとんどSAPIX化していました。
いまではそれほどではありませんが、準拠塾と比べるとかなりの差があると思っていただいて構わないです。(もちろんフランチャイジーの校舎であっても良い塾はたくさんありますが)
数でいうと、直営の数に対して、準拠塾が10倍以上になりますので、入塾を検討する際に気をつけたいところです。
優れたテキスト「予習シリーズ」
冒頭でも述べた通り、どうしてこういった小規模塾がフランチャイズとして加盟していったか、また四谷大塚は失敗すると塾ブランドも毀損しかねないFC化をここまで継続して展開できているのか。
それは圧倒的な「テキスト教材の質」です。
加盟していない他の大手塾もこの「予習シリーズ」という四谷オリジナルテキストを採用しているほどで、ここのテキストには勝てないと言わしめます。
何がすごいのか、一言で言うと「わかりやすく網羅的である」ということになります。
基本問題、練習問題、応用問題がそれぞれ配分されていて、基本問題のなかでも反復用の問題が差し込まれているなど、これを解けば理解も早いし知識定着も良いといった優れものなのです。
前項で「直営とFCではレベルの差がある」と言いましたが、このテキストと四谷の指導メソッドを使えることはたとえFC塾であっても合格に導くうえで大きなアドバンテージです。
実際にこのテキストで指導にあたった準拠塾からも毎年難関〜中堅の学校へ多数の合格者を出しています。
進度は早め、しっかりついていきたい
直営の場合、授業の進度はかなり早いと思ってもらった方が良いでしょう。
宿題も多めなので、こう言ってしまうとなんですがある一定の覚悟は必要ですかね。
また、準拠塾においては具体指導の仕方、宿題の出し方、カリキュラム進行速度などは、各塾ばらばらですので、検討をする際には、訪問して運営者に確認をすることは必須でしょう。
四谷大塚の年間費用
年間でかかる費用概算です。だいたい小6の平均が年額100万円。ちょうど平均ですね。
年間費用目安 | 通塾頻度 | |
---|---|---|
1年生 | - | 週1回 |
2年生 | - | 週1回 |
3年生 | - | 週2回 |
4年生 | 470,000円 | 週3回 |
5年生 | 610,000円 | 週3回 |
6年生 | 1,000,000円 | 週4回 |
準拠塾を含めると非常にオールマイティな合格実績
四谷大塚の(準拠塾を含めての)合格実績では、非常にどのレイヤーの学校へも多くの合格を出していることがわかります。
下記はその分布イメージです。
最難関校の合格にも強みを持っていますが、これは四谷大塚直営校舎が占める割合が多く、どちらかと言えば各地にちらばる準拠塾が中位〜下位までのボリュームをつくっているのでしょう。
学校を抜粋したおおまかなレベル別合格実績詳細はこちら。
最難関校への実績
学校偏差値 | 学校名 | 2018年合格実績 | 募集定員 | 定員に対しての割合 |
---|---|---|---|---|
74 | 開成中学校 | 103 | 300 | 34% |
70 | 麻布中学校 | 71 | 300 | 24% |
73 | 桜蔭中学校 | 60 | 240 | 25% |
72 | 女子学院中学校 | 64 | 240 | 27% |
75 | 筑波大付属駒場中学校 | 33 | 120 | 28% |
次難関・上位校への実績
学校偏差値 | 学校名 | 2018年合格実績 | 募集定員 | 定員に対しての割合 |
---|---|---|---|---|
68 | 市川中学校 | 324 | 270 | 120% |
66 | 芝中学校 | 94 | 280 | 34% |
64 | 吉祥女子中学校 | 147 | 234 | 63% |
65 | 明治大学付属明治中学校 | 106 | 150 | 71% |
中堅校・中位校への実績
学校偏差値 | 学校名 | 2018年合格実績 | 募集定員 | 定員に対しての割合 |
---|---|---|---|---|
58 | 明治大学付属中野中学校 | 未発表 | 240 | - |
53 | 山脇学園中学校 | 115 | 280 | 41% |
52 | 成城学園中学校 | 112 | 130 | 86% |
54 | 青稜中学校 | 未発表 | 200 | - |
定員以上の合格者が出ることは私立において通例です。第二志望に選ばれやすい学校は繰り上げ合格のために定員に対してより多くの合格を出す傾向があります。入学者数に母数を変更するとより精緻に計れますが、ここでは合格させる力を表現するため、母数を定員にし、その率を出しています。
前述した通り、最難関への専有率も30%ほどを超えた学校もあり、かなりハイパフォーマンスです。
また、その専有率は、次難関、中堅に移っても減ることがなく、全体的に網羅している。偏りがない状態になっています。
四谷大塚に関しては直営校舎に通うのか、準拠塾を選ぶのかにもよってかなり振り幅がありますので、その辺りを初期の塾選びにおいては把握しておけばまずは及第でしょう。
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